期待通り☆☆☆☆☆
ちょっと怖いなぁって話もあったんですが、タイトル通り登場人物の様々な『情』が四季(暦)のように江戸の町を幻色で彩っているなぁ……と。宮部みゆきさんは本当にすごい小説家だなぁ☆と思わずにはいられませんでした。
最後を曖昧に終わらせる話は私は嫌いなのですが、それもまたいいのかな…と思ってしまいました。 個人的には結末もはっきりしていてハッピーエンドな『器量のぞみ』が好きです☆
優れた短編集でした。
宮部みゆきさんは短編が一番良いと思います。特に時代物ではその秀逸な文章が冴えますね。長編は少しダラダラとしてしまう傾向があるようです。きちっと纏まってピリっとした粋な文章が巧いと思います。本編では「神無月」「首吊り御本尊」「紅の玉」などがとても面白かったです。全編にわたって江戸の風景が感じられて奇異なストーリーながら心地よかったです。「神無月」で居酒屋での呑み・食いの描写は著者の真骨頂ですね。
江戸の人たちのやるせない話
おもしろかった・・・けど、せつなかった。真っ正直に生きている人がいたしかたなくハッピーになれない話が多い。(もちろんハッピーになる話もあるけれど)だから、読んだ後にやるせなさが付きまとう。特に「紙吹雪」「神無月」「紅の玉」・・・、やるせなさすぎて、胸がくーっとなった。
この短編集は前編とおして江戸という時代を生きた人々の暮らしや気持ちが、ものすごく生き生きとナマナマと描かれていると思う。ものすごく江戸の人たちを身近に感じる。おとなりにいるような。
犯人誰だ、事件の発端はこれだ、という「なぞときもの」が中心ではないので、読後、「わあスッキリ」という気分にはなれないけれど、そういう江戸を精一杯生きてた人々の息吹によって、読後、なんだか心が湿るのです。
恐ろしく美しい
江戸町人の暮らしぶり、場面場面の情景。眩しく鈍く、私の思想の中にすうっと入ってきた。心地好かった。 それらは、とても魅了的で、周囲の雑音も耳に入らない程、ひたすら本の中に広がる世界に溺れた。文字の運び方は、やはり「流石」というふうに、圧巻だった。 どことない世界感が在り、読んでいる間中、私の表情にも無意識な変化があったような気がする。 何度でも何度でも、繰り返し読みたくなるような、そんな作品だった。
人の生き方のいろいろを見せてくれます。
短編を12編収録した、宮部みゆきにはめずらしい短編集です。 タイトルのとおりそれぞれの「こよみ」をキーワードにした作品でしょう。 構成がしっかりとしているので、短編ながらもうまくまとまった作品群だと思います。 怪談めいた話もありますが、江戸町人の人の心の迷い、寂しさを織り交ぜながら丁寧に描いた作品です。 中でも「神無月」は、病の幼子のためにやむなく押し込み働きをする男と岡引との心情を繊細に物悲しく書き上げた傑作だと思います。 強く生きると言うことを主題とした作品を紙芝居的に次々と生み出す著者の技量に感嘆させられました。
新潮社
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫) 初ものがたり (新潮文庫) 堪忍箱 (新潮文庫) かまいたち (新潮文庫) 天狗風―霊験お初捕物控〈2〉 (講談社文庫)
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