原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀



原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀
原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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原爆を投下しなくても、ソ連が参戦しなくても、米軍の本土上陸作戦が計画ないし検討されなくても、日本は1945年12月31日以前、「あらゆる可能性を考えに入れても1945年11月1日までに」無条件降伏していただろう―広島、長崎への原爆投下について1946年7月、米戦略爆撃調査団がトルーマン大統領に提出した総括報告はこう述べている。

ならばなぜ、トルーマンは原爆投下を決定したのか。欧州支配の野望を抱くソ連に、衝撃を与えるためのデモンストレーションであったとみる歴史学者がいる。そうした政治的要因にくわえて、ロナルド・タカキ米カリフォルニア大教授は、子供のころ「いくじなし」といわれたトルーマンの性格と人種差別主義に起因していると指摘する(草思社刊『アメリカはなぜ日本に原爆を投下したのか』)。

本書も原爆投下決定の裏に働くトルーマンの劣等意識に鋭い目を向けている。ルーズベルトの急死で、はからずも大統領になった「小物」が、権力と原子爆弾という史上最も恐ろしい遺産を手にしてしまった。ルーズベルトが「日本派」のジョセフ・グルー元駐日大使とともに進めようとしていた対日政策は、トルーマンと彼の唯ひとりの相談相手ジェームズ・バーンズに忘れ去られる。日本が和平の仲介を期待するソ連は、米英との密約に基づき対日参戦の準備を進め、トルーマンはソ連の参戦を原爆投下の後に誘導することにのみ腐心していた。

著者は米国、ソ連、中国(延安の毛沢東と重慶の蒋介石)の間の駆け引きと、「時局収拾」をめぐる日本指導部の無駄な努力を詳述しながら、「原爆投下までは日本を降伏させまい」とするトルーマン・バーンズ・コンビの術策を描き出す。中で光芒を放っているのは、1945年6月26日、グルーがチューリヒに赴き、日本のスイス駐在公使に君主制の存続を保障して降伏を勧めるくだりである。もとよりこれは著者のいう「絵空事」だが、敢えてこのようなフィクションを挿入したところに「ルーズベルトとグルーありせば」という著者の強い思いが感じられる。(伊藤延司)



原爆投下問題に話を限らせていただくが

以前図書館で見つけてスルーしていたのだが、レビュアーの方々の評判が良いので買ってみた。
感想としては、非常にフラストレーションがたまる。
ここで彼の史観については論じつくされていると思うので繰り返さない。
史料の穴を推測で埋めようという態度自体が問題なのではなく、彼の推測に根拠がないことが問題なのだ。
特に、彼が議論の大前提としている、トルーマンが1945年の5月にすべてを決めていた、という
ことを示す証拠が何一つ示されていないのは大問題であろう。
彼の理屈は首尾一貫しているように見えるが、それは結論ありきで物語を構築しているからである。
彼は、原爆投下に関する数多くの歴史研究をどれほど理解しているのであろうか。疑問である。
この著作が、少なくとも原爆投下決定の歴史研究に資することはない。
無論、他のレビュアーの方が言うように、これは歴史研究ではないので、別にそんなこと構わないのであろうが。
史料に基づいた研究ではないと言ってこの著作の価値を認めようとしないのは、史料実証主義
に陥っている歴史学者の欠点だともし言われるのであれば、私はそうした批判を甘んじて受け入れよう。

一号作戦なるものは、浅学なので知らなかった。前半はそういう意味で興味深かった。
真相はかうだ!

かなりクセのある本である。
たなぼたで大統領になり、同盟国のトップからも議会からも側近にも侮られていた(と思い込んでいた)トルーマンが、
威信回復と求心力を高めるため、ソ連参戦より前に原爆投下をスターリンに見せつけ、
満座の中で日本を自分にひれ伏せさせようと、綿密なタイムテーブルを組み、ついに大願成就した、というのだ。
原爆完成前に日本が降伏しては困るし、ソ連参戦が早過ぎても困る。
原爆完成が遅れては南九州上陸作戦をやらねばならず、厖大な米兵の戦死者が出て議会に責められる。
なるほど平仄が合うし、この組み立てでいかにも納得できそうで、実際、これが真相かもしれない。
但し、全部、著者の推論と想像である。
ほぼ全編、?にちがいない、?であろう、?のはずだ、の連続で、史料の裏づけが乏しいので判断のしようがない。説得力に欠ける。
だが…、これが真相だろう。
覇権のためには手段を選ばない国

 本書は、米国の広島・長崎への原爆投下の目的は日本を降伏させるためではなく、
実験そして爆弾を投下すること自体が目的であり、更に国際的な軍事優位を保つ上
でも不可欠であったと説明します。その傍ら、トルーマン大統領が小心者である故、
自らの男らしさを顕示するためであったという驚愕の説も紹介されます。
何れにしても、30万人もの非戦闘員である民間人を一瞬にして殺戮した原爆投下は
国際法に違反することは明白です。原爆は対日戦を早期に終わらせ、上陸作戦によ
る犠牲を避けたいとするGHQ史観の裏側にある真実を見極める必要があります。
万が一「この仮説」が正しいとしても、原爆使用を肯定する理由にはならない。

 ルーズベルトが「名」大統領かどうかをまずは、考えるべきではないか?見方によっては、イギリスを助けるための口実として、「ハルノート」で日本を追い詰めて、日本に戦争を「させた」人間である。それを受けたトルーマンは、もはや、日本人は「黄色い猿」と考えていたとんでもない人間であることは様々な書物で明らかである。
 スターリンというとんでもない独裁者にして殺戮者を「パートナー」に選んだ人間が、一方で、ソ連の参戦、原爆の完成の時期という「戦争」の戦略ではなく政治的な問題で、「仮に戦争を始めた責任のある日本人」としても、無辜の市民を無差別に殺すことが正当化されるわけではない。
 明日は、広島の原爆投下の日である。

 こんな本を日本人が書くことが悲しい。


史実を踏まえたFiction

 終戦直前に脳卒中で逝った名大統領Rooseveltに代わって、82日務めた副大統領から急遽昇格したTruman大統領は、小物イメージを払拭したがっていた。大統領になって初めて知った原爆を、既に始まっていた米ソ冷戦で米国および彼自身が主導権を取る絶好のツールと彼は考えた。ここまでは史実として大方が認める所だ。筆者は更に進んで表題のように、原爆を実験場ではなく日本の都市で炸裂させることでその脅威を世界に実証すべきだと考えたTruman大統領は、原爆投下準備が整う8月までは日本が降伏してしまわぬようあらゆる工夫と努力をしたと、説得力を以って本書で主張する。
 一般にNon-Fictionは、これは史実でこれは推察だと、句読点ごとに読者に判るように書くことで信用を勝ち取る。しかし本書では、筆者の信じる所を述べ伝え自虐的な歴史観を打破したいという熱い想いが先に立ち、史実と推論の区別を明示することにを重視していない。そのため文章として説得力がある反面、Non-Fictionとしては惜しまれる。
 また筆者の主張が正しければ(正しく思えるが)、このTruman大統領の野望は、結局Stalinや毛沢東を威嚇する効果を上げ得ず、中欧や中国の共産化は所詮進んでしまった。この判断ミスは、原爆投下のモラル問題と併せてもっと明確に指弾されていい。



草思社
アメリカはなぜ日本に原爆を投下したのか
日米開戦の謎
昭和二十年 第一部 (1) 重臣たちの動き 【1月1日〜2月10日】
「反日」で生きのびる中国 -江沢民の戦争
GHQ焚書図書開封




原爆から水爆へ〈上〉―東西冷戦の知られざる内幕

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原爆体験 六七四四人・死と生の証言

幻のレーダー・ウルツブルグ

幻の声―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)

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幻色江戸ごよみ (新潮文庫)

幻想の画廊から―渋澤龍彦コレクション   河出文庫

源 義経―東下りに秘められた謎 (PHP文庫)




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